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シェイクスピアの人間学

シェイクスピアの人間学_a0120263_1255383.jpg昨日の午後、小田島雄志さんの講演会へ行きました。東京大学名誉教授、シェイクスピア研究家、翻訳者としてはあまりにも有名。もちろん学生の時から存じておりましたが、「生」のお話を聞くのは初めてでした。

数年前から去年にかけて、夏目漱石マイブームだったころ、漱石が亡くなったのが当時の自分の歳だったので驚いたのですが、昨日またまた シェイクスピアが亡くなったのが1週間前までの私の年齢と知りました。

学生の頃は、授業では一語一語解釈しながら進む、難解な「古典」だし、イギリスにホームステイしたときStradford upon Avonへ行ってお芝居を見たりしたけど意味不明、シェイクスピアは「遠い人」でした。でも、漱石同様、その人間としての生い立ちや人生観を知るにつれ、(&自分も人生を重ねるにつれ)、親しみがわいてきました。さすが、小田島さんは知識の宝庫、それでも気さくに興味深いエピソードや作品の中の名言を教えてくださいました。その中からふたつ。

☆the worst is not So long as we can say 'This is the worst'. (リア王より)
  ’これがどん底’などと言えるあいだは本当のどん底ではないのだ。
☆One may smile, and smile, and be a villain.  (ハムレットより)
  人はほほえみ、ほほえみ、しかも悪党たりうる。

ふたつめの名言は、「人間には表・裏があるもの。だから見かけは微笑む上品な紳士でも実は悪党だったりする。」という意味だそうです。シェイクスピアは、人間とはそういうもの、又 頑張ってもどうしようもないもの(運命の力)が人間を支配している、と考えていたのではないか。

シェイクスピアの人間学_a0120263_13552271.jpg「今日 お伝えしたいこと、それは ’一歩引いてみる目’です。何ものにもとらわれなければ、それまで周囲の人や何かにとらわれているときに見えなかったものが見えてくるものです。」と、結論を最初におっしゃいました。

「シェイクスピアの人間学」、本も読んでみようかな。「どなたか男性の方~、演台を持ち上げるのを手伝ってください。」という呼びかけに後ろの方から一番に走ってきてくださったのは、河野太郎さんでした。

by menomerry | 2009-10-07 13:59 |